Interferometer

小さい領域からの光は干渉しやすく、大きい領域だと干渉しにくい
一方で、干渉の度合いは口径で決まる空間周波数の関数に対応する
つまり干渉しやすい光源の距離は周期的な関数で表すことができる
干渉の度合いはVisibility(=鮮明度)と呼ばれる量で評価される
基本的に小口径なほど鮮明度は高く、大口径だと鮮明度は低くなる
望遠鏡の口径と光源の大きさ(や形)が対応するかが鮮明度を決める

大きい天体は干渉しずらいので口径を広げるとすぐ鮮明度が下がる
小さい天体は干渉しやすいので口径を広げても鮮明度は下がらない
天体の大きさと口径次第では完全に干渉縞が消える場合もありうる
= ブラックホールなど暗い中心とリング状の放射を仮定した場合
口径を変えつつ鮮明度の変化を見れば、天体のサイズを測定できる
= 天体の空間輝度分布モデルとVisibility Mapを推定して比較

ちなみに干渉縞の位置は周波数成分なので直接物理的な意味は無い
空間輝度分布を決定するのはあくまで縞のVisibilityだけである
ただし複数の鏡を使う干渉像になると2次元マップに少し近くなる

観測波長(=lambda)で波長幅(=D(lambda))の光を干渉させるためには
分離した光の光路差をコヒーレンス長(=Lc)以下で重ねる必要がある
単色の方が可干渉距離は伸びる (単色レーザーなどは干渉しやすい)
しかし天体の観測では単色だと光子が少なくなるデメリットがある
最終的にX線CCDで分光する場合 lambda / d(lambda) ~ 10 が現実的
現在搭載されているX線分光器の分解能は E/dE ~= 100 程度
撮像可能なマイクロカロリメーターならd(Lambda)を小さくできる

干渉計でも角度(空間)分解能の考え方は、普通の望遠鏡と全く同じ
一般的に分解能の回折限界として使われるのはレイリーの判断基準
角度分解能(D(theta))は主に口径(2R)と波長(lambda)で決定できる

  • D(theta) = lambda / 2R

干渉系でも最大の口径(基線長)により望遠鏡の最高分解能が決まる
= 干渉しやすい小さな天体まで大口径だと探せる範囲が広くなる

ここで、干渉像の振幅の鮮明度(形)は分解能と天体の明るさに対応
フリンジの振幅は天体強度、フリンジの形(幅)が天体サイズに依存
電波天文学では波を位相まで検出するのでマイナスの値が存在する
計算機で干渉させた後のVisibilityを逆フーリエ変換
フリンジの振幅と形の両方をVisibilityとして取り扱うのが主流
波として検出できない短波長のVisibilityは以下の式から求める

  • Visibility = (I(Max)-I(Min)) / (I(Max)+I(Min))

ここでもフリンジの振幅は天体の強度に比例する(マイナスは無い)
干渉縞の鮮明度(幅に相当)は、要するに天体と口径のサイズに依存
さらにVisibilityは天体のサイズ(Size)と距離(Distance)の関数

  • Visibility = sinc( (2R * pi() * Size) / ( Distance * lambda ) )

望遠鏡の口径でフリンジの幅(形)が決まり、その形は分解能に相当
実際の画像は干渉させて得たVisibility Mapを逆フーリエ変換

口径、最小基線長、観測波長幅、積分時間、グリッディングで決定
干渉縞による位相変化をみる場合は、最小基線長が主に効いてくる
基本的には、一番小さい口径によるエアリーディスクのFWHMが視野

まずは干渉縞の間隔は角度分解能と直接関係がない事に注意したい
これは、言わば市販の天体望遠鏡における分解能と倍率に相当する
望遠鏡の大きさが分解能を決めるなら、干渉光学計が倍率を決める
分解能の悪い像をいくら接眼レンズで大きくしても情報は増えない
しかし、接眼レンズの性能は検出という目的で大きな役割を果たす

干渉縞の幅は小さいほど良いが、間隔は広くないと検出ができない
干渉縞の間隔(s)は波長(lambda)と重ね合わせる角度(phy)で決まる

  • Fringe Spacing(s) = lambda / sin(phy)

干渉像の分解能は口径、その像が見えるかどうかは干渉計で決まる
光路合成の部分(干渉計)は言わば望遠鏡の接眼レンズの役割となる
いかに別々の光を小さい角度で重ねるかがフリンジ全体の幅を決定
それは結局のところ、それぞれの干渉縞の間隔として影響を及ぼす
縞の間隔を大きくすれば素子の大きなピクセル検出器でも分解可能
縞の間隔が小さいと分解するには素子小さなピクセル検出器が必要

  • 分解能の向上 = 最大口径を大きくしておく
  • 検出できる倍率に拡大 = 光を小さな角度で重ね合わせる
  • 広い視野の確保 = 短い基線長も確保しておく
光路角小 光路角中 光路角大
小口径 鮮明/幅広 鮮明/幅中 鮮明/幅狭
大口径 鈍い/幅広 鈍い/幅中 鈍い/幅狭

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  • Last modified: 2022/12/16 06:25
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